
映画「スラムドッグ$ミリオネア」に見...
インド、ムンバイ(=旧ボンベイ)。インドの経済発展を象徴する国際都市。人口1900万にもなる都市圏は、世界でも5番目の規模を誇る。ハリウッドのインド版、ボリウッドが近郊にあり、
夜な夜なボリウッド女優がシャンパン片手に、ラウンジで派手にナイトクルージングする、そんなハイブリッドな大都市のイメージが先行するムンバイ。成田からはエアインディア、ANAが直行便を就航している。(約10時間のフライト)
飛行機でムンバイのチャットラパティー・シヴァージー国際空港に着陸する寸前、青いテントに覆われた馬鹿でかいスラム街が、永遠と続くのが飛行機 の窓ごしから見える。飛行機はそのスラム街すれすれに飛び、空港へと着陸する。空港はすぐ隣に巨大なスラムが存在していることなど、忘れてしまうくらい、 近代的でモダンなデザイン。
先日、米アカデミー賞で作品賞など8冠に輝いた映画「スラムドッグ$ミリオネア」。この作品は、アジア最大のスラム、ムンバイのスラム街に住む、 貧困層の子供が、クイズ番組で一攫千金を獲る、というストーリー。実は、この映画を巡って、インド国内に“スラムドッグ論争”とも呼べる現象が起きた。ム ンバイの貧困のリアルな描写がやり玉に挙げられ、その是非をめぐって、インド国内では、新聞やネット上で論議を呼んだのだ。年に1000本という映画を製 作し、毎年約1500億円の収益を得ている巨大映画産業、ボリウッド。そのボリウッド映画の、インドに続く第2の巨大マーケットがイギリス。その一番のお 得意様のイギリスが、 “インドの暗部”ともいえる、ムンバイのスラム街を描いちゃったわけだから、「ボリウッド」の人達としては複雑な思いだったに違いない。しかし、この映画 は、ボリウッドの富裕層だけでなく、スラムに住む人達の感情も逆撫でした。「自分たちをスラムドッグ=スラムをうろつく犬にたとえるな!」と、ムンバイ最 大のスラム、ダラビ地区の人達は、抗議デモを繰り返した。
ムンバイの街は、建設中の超高層ビルがやたらと多く、走る車も、ベンツやBMWが他のインドの街よりも圧倒的に多い。しかし、一歩裏の路地に入る と、裸足の子供に物乞いをさせている母親、片足が無い老人が、普通に歩いているのが現状。経済発展の影で、全人口の42%はいまだに一日100円で暮らし ている貧困層。カースト制が色濃く残る社会の中で、急速に進む経済発展。
それでもムンバイの道路を裸足で物乞いする子供たちの目は、力強く生きるパワーがみなぎっている。そんなムンバイのスラムの子供たちの印象的な ニュースを一つ。ムンバイでは今、「スラムドッグミリオネア」に便乗して、スラムの貧困層の子供たちが、“スラムドッグ・ツアー”と名付けた、スラムを案 内するツアーを主催。欧米の観光客を相手に商売を始めているとか。貧困の子供たちを慈悲の目で見るのは簡単だが、彼らは、あの大都会の“スラムドッグ論 争”の片隅で、自分たちの足で力強く生きる術を探している。
ちなみにキャンペーンに『スラムドッグ$ミリオネア 』の主題歌「Jai Ho」を使った、インド与党国民会議派は、伝統的に財閥などの社会の上層部とムスリムから、絶大な支持を集めている政党。スラムの人達とは無関係の政党。
「JAPAN公開予告編」

























